理系ブロガーSの挑戦

化学系博士卒ブロガーの経験と考えをまとめたブログ

企業と大学の選択

理系の方の多くは、大学(院)卒業後の進路として、

企業か大学(アカデミア)を選択肢として考えると思います。

今回は企業研究員として、私の考えを書いていこうと思います。

 

個人的には、どちらでもあり、なのですが、

いくつかの観点から考えてみました。

 

(1) 金銭面

大学よりも企業の方が給料がいい、という話を聞きますが、

あまり根拠はない話が多い気がします。

アカデミアの方が正規雇用が難しいイメージが一般的にあるため、

上記のイメージにつながっているのではないかと思います。

 

所属する企業や大学、その中でのポジションによって、

給料は上下するので、結局人によるとしか言えませんし、

いずれでも生活費は十分稼げるため、問題ないと思います。

(人により、必要な額は異なるので何とも言えませんが)

 

ただ、企業もピンキリなので、一概には言えませんが、

全体としてみると、企業の方が給料の期待値はいいのかも、

という気はします。

 

 

(2) 研究費

これも、場所によりけり、としか言えません。

企業の方が資金があるようなイメージもあるかもしれませんが、

企業も部署や経済状況により研究費は変わりますし、

使う用途に関しては、むしろ大学よりもシビアな場合もあります。

大学に関しては、上位大学や優秀な研究室であれば、

研究費の制限はあまり感じないかと思います。

 

(3) 研究内容

一般的には、

企業は顧客に向けて役立つものを開発して利益を得る、

大学は基礎研究、

といったイメージかと思います。

 

ただ実際は、企業でも基礎研究と商品化研究がありますし、

大学でも、役立つものを開発して商品化のようなこと

をしているところもあります。

 

私の考えですが、研究内容自体が、

企業向きな研究と、大学向きな研究があるように思います。

アバウトですが、

新しい理論や概念的なものを研究するなら大学向きで、

実験や開発的な研究なら企業向き、だと思います。

(専門の方がいたら、すみません)

 

あと、大学の方が小回りの利く基礎研究はしやすいと思います。

大学は、シーズ型研究がやりやすく、

多少目的が曖昧でも、興味本位でとりあえずやってみる、

という進め方ができます。

 

企業は、顧客のニーズが重要だと思うので、

目的がはっきりしていて、その解決手段を見出す研究になります。

また、企業は大勢でスケールが大きく

かつ実用的な研究はしやすそうです。

 

その他、大学は論文メインで、企業は特許メインになります。

 

(4) 仕事仲間

大学では、年齢が上の先生や研究員の方もいますが、

基本的には若い学生と一緒に研究を進めていくかと思います。

企業は、特に入社後は、年齢が上のプロの研究員と仕事をします。

これも、やりやすさや好みが、人により分かれるかと思います。

 

(5) 就職難易度

大学は、正規雇用が難しいイメージもあるかと思いますが、

人によるとしか言えませんし、

アカポスに就くための正しい方法と努力ができれば、

十分に可能だと思います。

企業就職は経験上、就職難易度はけっこう高いと思います。

いろいろな企業があるため、

大卒ならどこかには採用される可能性が高いですが、

人気企業や就職難易度の高い企業は、けっこう難しいです。

 

(6) 向き不向き

私が思うに、大学が向いている人は、

大学の研究が好きかも大事ですが、それ以上に、

大学という場所や先生・学生に思い入れがあるか

が重要だと思っています。

大学に未練というか思い残すことはなく、

新しい環境で新しいことに挑戦してみたい

という人は企業もありだと思います。

 

以上、偏見もありますが、

ぱっと思いついたことをまとめてみました。

考えが変わったら修正したいと思います。

 

一意見として参考にしていただければ幸いです。