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学振研究員が提出する報告書の種類と内容を解説!

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学振研究員に採用されるためには申請書が必要ですが、採用後も報告書を毎年提出する必要があります。

採用後の報告書では主に、研究実績と研究費に関する内容を記載しますが、学振の報告書に慣れていない方にとっては、少し分かりにくいかもしれません。

そこでこの記事では、学振(DC1)経験者の私が、学振研究員が提出する報告書について、種類と内容を解説します。

5分くらいで読めて、報告書の概要が分かりますので、ぜひお読みください!

 

学振の報告書の種類

報告書の種類には以下があります。

(1) 科研費の実績報告書

  1. 収支決算報告書
  2. 研究実績報告書

(2) 特別研究員の報告書

  1. 特別研究員研究報告書
  2. 研究遂行経費の支出報告書
  3. 特別研究員の就職状況

 

科研費の実績報告書

1. 収支決算報告書

科研費交付金額(収入)と経費(支出)の金額を記入します。

経費には、直接経費と間接経費の2種類があります。

直接経費とは、研究課題の遂行に必要な経費のことで、物品費・旅費・人件費などが該当します。

間接経費とは、研究環境を整備するための研究機関向けの経費で、施設費・設備費などが該当します。

2. 研究実績報告書

研究実績の概要や現在までの進捗状況、今後の研究の推進方針を記入します。

また、発表論文や学会発表、特許、国際共同研究先についても記載します。

実績報告書に記載した内容は、「科学研究費助成事業データベース」に収録され、Webサイトに公開されますので、しっかり作成しましょう!

 

特別研究員の報告書

1. 特別研究員研究報告書

受入研究者の評価に関しては、受入研究者(先生)から見た特別研究員の評価を記入し、先生の押印が必要です。

研究実施状況に関しては、A4紙1ページほどに、研究の進捗について記載します。

図は特に必要ではありませんでした。

論文や学会発表、海外渡航歴などを記入する項目もあります。

2. 研究遂行経費の支出報告書

研究遂行経費について、項目ごとに支出金額を記載します。

項目としては以下があります。

  • 学会関係経費
  • 研究集会への参加費
  • 学術調査の経費
  • 自宅研究に必要な経費
  • 交通費

詳しくは以下の記事で解説しています。3. 特別研究員の就職状況

採用終了前に提出する必要があります。

就職先や雇用形態、特別研究員としての経験などに関するアンケートです。

 

まとめ

学振採用後の報告書は、科研費の報告書と特別研究員の報告書の2種類です。

また内容としては、研究実績と研究費に関するものがあります。

申請書ほど気負う必要はありませんし、毎年書くうちに段々慣れてきます。

報告書を書くことは、文章力の訓練になるため、いい練習になると思います。

この記事が、報告書の理解に少しでもお役に立てれば幸いです。

学振に関する解説記事は他にもありますので、興味のある方はぜひお読みください!

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