理系ブロガーSの挑戦

化学系博士卒ブロガーの経験と考えをまとめたブログ

天才化学者がいない理由

皆さんは”天才”という言葉から
何を連想しますか?


私の場合は
ぱっと思いつく限りだと、

・数学者 ・物理学者
棋士 ・プログラマー
・ピアニスト

などがあると思います。

しかし、化学者には”天才”という
枕詞はあまり使われません。
実際、Google検索でもほとんど
ヒットしません。

それはなぜでしょうか?

私が思う学問的な天才の定義は、
「新しい概念や理論を生み出せる人」
です。
(純粋に能力や技術が高いというのも
当てはまるとは思いますが)

今ある研究のほとんどは、
既存の技術の組み合わせと最適化
で成り立っています。

化学は分子設計がメインの学問で、
作りたいもの(例えば分子)を
どうやって合成するかという
「ものづくり」の分野です。

そこに難しい概念や理論は必須
ではありません。
作りたいと思ったものを自由に作る
ことが一番大事だと思います。

人により多少の優劣はあるかも
しれませんが、能力差は微々たる
ものです。
皆さんの周りにも、優秀そうな人
はいるかもしれませんが、
環境と方法さえ揃えば、
ほとんどの場合、誰にでも
到達できる範囲のものでしょう。

天才化学者という人や言葉が
あまりない、とは言いましたが、
分子軌道法とか、そのレベルの理論
や考え方まで遡ると、
これを考えた人は天才じゃね!
とは思います。

天才って、ほとんどの場合、
イメージ戦略で作られた偶像
なんですよね。
漫画やアニメ、ドラマにしかいない
存在なんです。
仮に本当にいたとしても、
会う機会は中々ないだろうな、
と思います。

自分はあくまで凡人として
がんばっていきたいです!