理系ブロガーSの挑戦

化学系博士卒ブロガーの経験と考えをまとめたブログ

ポリマーの扱い

今回は元々低分子を扱っていた

私が高分子(ポリマー)を扱うように

なって感じた違いをまとめます。

 

専門でない方のために↓

低分子:小さな分子のこと。

例、色素・薬など。

高分子(ポリマー):大きな分子のこと。

例、プラスチックなど。

 

低分子とポリマーの大きな違いは、

基本的に低分子は単一化合物ですが、

ポリマーは分子量分布があり、

様々な分子量のポリマーの混ざり

であるということです。

 

低分子の場合は、基本的に

精製して純度を上げれば、

同じモノが得られるはずです。

しかしポリマーの場合は、

そもそも精製しない場合も多く、

再沈して精製する際も、

溶媒の比率や処理法の違いで

ポリマーの組成が変わって

別モノになってしまいます。

ポリマーは分子量によって溶解性が

異なるというのは注意点です。

 

高純度な低分子を扱うことに

慣れている人がポリマーを扱うと、

今までと違った注意点が結構ある

ことに驚きます。

 

低分子が専門の人からすると、

ポリマーは混ざりものなので

抽象的でアバウトな感じがしますが、

ポリマーのプロセスはシビアです。

 

ポリマー組成の決定はNMRなどを

用いますが、モノマー単位の積分比で

組成を計算するのは、

ポリマーならではの解析法です。

 

組成や分子量を求める際にも、

ポリマーならではの計算が多く、

数の感覚や概算に慣れることも

重要だと感じています。

 

あとポリマーは触感も重要で

引張り試験などの力学物性も

よく出てくるので、

これも低分子との大きな違いです。

 

ぱっと思いついたことをまとめました。

慣れないことも多いですが、

頑張りましょう。