日本学術振興会(学振)特別研究員になると、「国民健康保険(国保)」に加入する必要があります。
修士課程まで多くの方は、ご両親の被扶養者として、(国民)健康保険に加入されていますが、学振採用後は自分で国民健康保険に加入する必要があります。
しかし、国民健康保険は仕組みや計算法などが少し難しいです。
そこでこの記事では、元学振研究員(DC1)かつFP技能士の私が、国民健康保険について解説します。
5分くらいで読めて、国民健康保険に対する理解が深まりますので、ぜひお読みください!
公的医療保険の基本
公的医療保険は主に二つあります。
学振研究員は国民健康保険に該当します。
健康保険は労使折半で、会社が半分負担してくれますが、国民健康保険は全額自分で負担することになります。
(国民)健康保険のメリット
身近なものでは、病院で医療行為を受ける際の自己負担割合が3割ですむ、というものがあります。
また、高額医療費には自己負担限度額があり、自己負担額が一定額を超えた場合、超過額について返金を受けることができます。
他にも、複数のメリットがあるのですが、健康保険と違い国民健康保険は、出産手当金や疾病手当金はない、といった違いがあるので注意が必要です。
国民健康保険料の計算法
保険料は市町村によって異なり、前年の所得等により計算されます。
学振1年目は前年(修士課程)の収入が、ほぼゼロの方が多いと思いますので、国民健康保険料は安く済みますが、学振2年目以降は、学振1年目の所得分多く支払うようになります。
所得が少ないほど、保険料が安くなるので、研究遂行経費(3割)や1年目の勤労学生控除によって、所得を少なくした方がいいです。
具体的な計算例
国民健康保険料=(1)医療分保険料+(2)後期高齢者支援分保険料
(40~64歳の方は介護分保険料が加わる)
(1)医療分保険料と(2)後期高齢者支援分保険料はそれぞれ、所得割(前年の所得により変わる金額)と均等割(所得により変わらない金額)の和で計算されます。
学振2年目以降の場合(前年度所得は3割経費控除後で168万円)
(1)医療分保険料=所得割額+均等割額
={(前年度所得168万)−基礎控除43万}×7.6%+4万
=13.5万円
(2)後期高齢者支援分保険料=所得割額+均等割額
={(前年度所得168万)−基礎控除43万}×2.5%+1.5万
=4.6万円
国民健康保険料=(1)+(2)
=181,000円(1年分)
赤色部分の数字は市町村により異なるので、各市町村のWebサイトで調べて下さい。
まとめ
今回は、学振研究員が加入する国民健康保険の基礎知識や保険料の計算法について解説しました。
保険は常に関わる必要があるので、しっかり勉強しておくと、後々役立つと思います。
保険を理解して、うまく活用することで、ぜひ充実した学振ライフを満喫してください!
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